2017年01月22日

君に伝える言葉




「ハルカ」
私が上げたトスに飛び込んできたハルカが利き腕の右腕を振り抜く。存外軽い音を残して、ボールはネットの向こうのコートに鋭く突き刺さった。
「いいよ。今の感じ」「OK」
――君に伝える言葉を探してる。
「もっかいお願い」「わかった」
――伝えなくちゃいけないことがあるのは分かってる。
「いくよ」
――だけど、それを言葉にできない。僕の言葉がでてこない。
「はぁ〜」
頭の上に飛んできたボールをはじこうとして、結局、両手でつかんだ。
「凌太、うるさいっ!」
――僕は君に・・・・・・
私の投げつけたボールは、舞台の上で四つん這いになって歌詞を書いている凌太の頭を直撃した。
「いてっ! なにすんだよ、姉ちゃん」
「あんた、うるさいよ」
「いいだろ、別に」「よくない。練習の邪魔」
途端に頭を抱えた。ボールがあたった痛みのせいじゃないようだ。
「って、ああ、今折角いい歌詞が浮かんできたと思ったのにぃ! どうしてくれるんだよ!」


一週間ほど前から軽音部の凌太が体育館の舞台の上で曲を作りだしたのは、演劇部の部長の宮原くんに作曲を頼まれたからだ。
来月の終わり、三年生は卒業する。その卒業式に合わせて、演劇部が毎年送別公演を行うのがこの学校の恒例行事になっているのだが、なんと今年はミュージカルに挑戦するのだという。なんでも、去年の文化祭、弟たち軽音部の演奏に演劇部の部員たちが感銘を受けて、そんな決断をしたらしい。
正直、私には大した演奏だったとは思えないのだけど、彼らの良く分からない妙な琴線にでも触れたのだろう。
だけど、文化祭で披露した曲目だけでは、どうしても曲数が足りない。なので、二,三曲、追加で作曲を依頼してきたってわけだ。
「曲作りたいんなら、どっか別の場所で作りなさいよ」
「ええ、ヤダよ。部室の第二音楽室、しばらく合唱部の練習でうるさいし。ここなら、使ってないピアノあるから、ちょうどいいんだよ」
なんて言っているけど、ここに現れるようになってから、一度も舞台の袖のピアノをいじっていない。
「それに、ちゃんと湊ちゃんの許可とってるし」
「うぐっ」
湊ちゃんとは、我がバレー部のコーチのことだ。ったく、あのコーチは。
「ねぇ、ハルカもなんとかいってやってよ。こいつ迷惑だよね」
「えっ? あ、ううん。私、宮原くんの劇楽しみにしてるから」
「ガーン、ショック。親友にまで裏切られた・・・・・・」
凌太はその後も、舞台の上でウンウン唸りながら曲と格闘していた。
時には、舞台の上を尺取り虫のように這いまわり、ゴロゴロと転がり、でんぐり返し。
「制服汚れるでしょ。お母さんに怒られるわよ」
前転、バク転、側転に、ロンダード。そして、挙句にロン宙まで。
って、中川ちゃん、感心してパチパチしない。あのバカ、ますます調子に乗っちゃうでしょ。
「こら、凌太、目障り。どっか行け」
もちろん、出ていくはずもない。はぁ〜


「ねぇ、弟くん、宮原くんの劇、間に合いそう?」
休憩中スポーツドリンクを飲んでいるとハルカが凌太に声をかけている。
「うん、台本はもう上がったって言ってたよ。もう演技の練習に入ってるって」
「そうなんだ」
ハルカは、どこかホッとした様子だ。
まあ、確かに、私たちと同じクラスの宮原くん、このところ疲れている様子で、授業中もよく机に突っ伏して居眠りしている姿を見かけた。ハルカもそれが気になっているみたいで、ちょくちょく心配そうに声をかけたり、弟から様子を聞いたりしている。
「昨日、うちの部の先輩たちと演劇部の方、見学に行ったけど、宮原先輩、なんか一年の女の子と仲良さそうにしゃべってたよ」
「えっ?」
「すごく親しげな感じでさ。こないだも昼休みに食堂で一緒にメシ食ってるの見かけたし。あれってやっぱり・・・・・・」
「・・・・・・」
なんか、ハルカの顔がひきつってるような・・・・・・
「ハルカ、大丈夫?」「あ、う、うん。大丈夫。うん」
精一杯笑顔を作ろうとしているのだけど、ライオンに追いつめられた草食動物みたいな目をしてるし。
「だ、大丈夫。うん。だいじょうぶ」


――君に伝える言葉を探してる。僕の言葉を。
私の上げたトスはドンピシャだったはず。なのに、ハルカのスパイクはボールを捉えていなかった。小学校の時からずっとコンビを組んできたのに、めずらしいこともあるものだ。
――今、君に伝えなければ、永遠に君は僕のそばからいなくなって。でも、まだ僕の言葉は見つからない。
「もっかい、行くわよ」「う、うん」
そして、また同じミスをした。
――なにを伝えるべきかは分かっている。でも、その言葉が形にならない。
ハルカは立ちすくみ、足元を見つめている。
――今すぐ君に・・・・・・
突然、私に背を向けた。
「ハルカ?」
返事もせず、体育館の出口へ向かって歩き出す。
――伝えなくちゃ。
ゆっくりとスピードがあがり、足の回転が早まり、駆けだす。
「ハルカ」
呼びかける声に振り向くことなく、その走る背中はドアの向こうへ消えていった。


「ったく、わざとでしょ」
苦笑を浮かべて問う私に、悪びれることなく。
「てへっ。だって、この一週間、宮原先輩の方もしつこくハルカちゃんのこと訊いてくるんだもん」
「はぁ〜 どうせ、仲のいい一年の女子って、演劇部にいるっていう宮原くんの妹さんのことでしょ?」
凌太は、肯定するように片頬を歪めて笑った。
「姉ちゃん、でも、おかげで結構いい曲できたと思わない?」
私の言葉は、胸に抱えていたボールを凌太の頭めがけてトス。ただそれだけ。満面の笑みで。


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2017年01月15日

ヤスケ




仕事帰り、自宅の郵便受けをのぞいてみると俺宛のハガキが届いていた。
結婚報告の手紙。高校時代、三年間を一緒に漫研で過ごしたスギがとうとう結婚したらしい。
高校を卒業して、すでに十年以上が経っている。あいつとは三年前の同窓会で顔を合わせたっきりで、あとはずっと年賀状のやりとりだけだった。
「そっか、あいつ、やっと結婚したんだ」
ハガキの裏には写真が印刷されてあり、真っ白なタキシードを着てポーズをつけて立っているスギの隣で、ウェディングドレスに身をつつんだ新婦さんが優雅に腰かけている。
けど、新婦さんの方、どこかで見覚えがあるような気が・・・・・・
すこし考えて、思い出した。漫研の一つ下の後輩だった。



受験シーズンが忙しくなると、学校の授業は自習ばかりになり、俺たち三年生は、登校してもしなくてもよくなった。
だから、俺は今朝から家に閉じこもって問題集を解いていた。けど、集中力なんてそんなには続かない。しだいに飽きてきて、本棚のマンガに手が伸びそうになったり、この夏に封印したはずのゲーム機に目が行ってしまう。
これじゃダメだと、思い切って近所の図書館へ向かったのだが、あいにく混んでいて席が空いていない。
さて、どうしたものかと戸口で考え込んでいたところで声をかけられた。
「よお、タッツ、ひさしぶり」
「そっちこそ、ひさしぶりだな。スギ」
「そっちも勉強か?」
「ああ。でも、ほら、空いてない」「だな」
二人して、ため息を吐くだけ。
「しゃーない、うちに来るか?」
「おっ、助かるわ」
というわけで、スギの家へ。


スギの部屋にお邪魔する。
「相変わらず、ぐちゃぐちゃだな」
「ほっとけ」
「掃除ぐらいしろよ」
「いいだろ、別に死ぬわけじゃねぇんだから」
「親とかなんにも言わねぇのかよ」
「全然」
「ちぇっ。うちの親は口うるさいのに」
そんな散らかった部屋の中で、なんとか座る場所を確保して、俺は腰を下ろした。まあ、実際のところ、散らかり具合で言ったら俺の部屋といい勝負なんだが。
そうして、持ってきていた勉強道具を出し、問題集を広げる。さて、いざ取り掛かろうとして、それに気が付いた。
テーブルの隅、色紙が転がっている。
「これは?」
「ああ、去年の暮れに漫研の佐和ちゃんがくれたんだ。受験のお守りだってさ」
色紙には、イラストが書き込まれている。肌の真っ黒いイケメン男子が水浴びしている絵。
佐和ちゃんというのは、俺たちの一つ下の漫研の後輩。現在の副部長だ。戦国武将だとか、三国志の英雄だとか、明治維新の志士たちをイケメン風にして、史実に沿ったコメディータッチのマンガを描いている。
「ってことは、これもだれか歴史上の人物か」
「ああ、ヤスケとか言ってたな」
「ヤスケ?」
語感からすると、日本名っぽいけど、そのイラストの人物は明らかに黒人系の肌の黒さ。とすると、三国志の登場人物なのかな?
だが、歴史が得意なわけでも、大して詳しいわけでもないので、見当もつかない。
「ま、いいか」
そのときはそれだけで別の話題へ移っていった。


けど、家に帰り、ふと思い出して調べて見た。
弥助。三国志の人物なんかではなくて、織田信長に仕えていた家臣の一人で、元はバテレン宣教師が連れていた黒人奴隷出身の人物だった。
有名なエピソードとしては、信長に初めて拝謁したときに、その肌の黒さをいぶかった信長が家臣たちに体を洗わせたが、その肌の色は落ちず逆に濡れて黒光りしたという。
「ああ、だから、スギの部屋にあったイラストは水浴びしてたのか」
肌の黒さは落ちなかった。⇒ 落ちない ⇒ 志望校に落ちない。
たしかに、受験のお守りだな。
納得した。
――けど、そういや、去年の終わり、俺も漫研に顔を出して後輩たちに挨拶したけど、俺、なにももらってないぞ。俺も受験生なのに・・・・・・
これ以上なにか考えると、ちょっと受験に差しさわりそうな気がしたので、俺はそのときそれ以上考えないようにした。
うん、おかげで第一志望の大学に合格できたから、ヨシとしよう。うん。
ううぅ、しくしく・・・・・・



そんなことを思い出しつつ、写真の中、満面の笑みを浮かべている佐和ちゃんの姿を眺めた。
「綺麗になったな」
分厚い眼鏡をかけて、奇声を発しながら、お気に入りのイケメン武将たちを描いていた姿を思い出して笑ってしまう。
そして、
「念願がかなったんだな。おめでとう」
写真の中の佐和ちゃんに祝福の言葉をかけるのだった。
だって、弥助にはもう一つ有名なエピソードがあるのだから。
それは本能寺の変で信長の従僕として圧倒的な戦力差があった明智勢に対しても、あきらめず最後まで戦いを挑みつづけ、ついには生き残った人物なのだから。
そして、スギはそのことを知らない。


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2017年01月08日

ホコリをかぶったガラケー




去年の大掃除、越してきてからロクに掃除もしてこなかった俺の部屋を思い立って片付けてみた。
見つけた。高校時代の携帯電話。まだスマートフォンでなくガラケーだったころの俺の愛機。毎日制服のポケットに突っ込んで持ち歩いていた。
懐かしくなって電源を入れようとしてみたが、とっくにバッテリーは干上がっていたようだ。あいにく、充電器は実家に置きっぱなしだし、今のスマホの充電器では充電できない。まあ、今さら充電しても使う予定があるわけでもなし、意味もないのだが。



成人式に出席するために、昨日から実家に戻って来ている。正月はバイトを入れていて戻ってこなかったので、家族は久々に俺の顔を見れて喜んでいるようだ。お袋がやたらチヤホヤしてくれたり、親父が老眼鏡の陰で目を細めていた。たまには実家に帰ってくるのもいいものだ。そのまま昨日はのんびりと過ごし、今朝早くに家を出発した。
電車を乗り継いで、市民ホールの最寄り駅で下車。そこから歩いて十分ぐらいの場所。
小学生のころ、一度だけ市の絵画コンクールで佳作に選ばれてここで展示されているのを家族四人で見に来て以来か。
そんなことを思い出しながら、商店街のアーケードの道を歩く。
そういえば、あの時、俺たちの学校から優秀賞に選ばれたヤツがいた。というか、あいつは俺と違って毎年選ばれていたっけ。
俺と同い年で、小学校も中学校も高校さえも同じだった。けれど、全然親しくはならなかった。何度も同じクラスになり、同じ教室で過ごしてきたというのに。
まあ、あいつとは性別が違うし、住んでいる地域も小学校区の北の端と南の端で遠かった。
接点なんてなにもなかった。
でも、俺がこのホールへ自分の絵を見に来た時、ちょうどあいつも来ていたな。声はかけなかったけど、あいつも家族を連れてきていて、自分の絵の前でポーズを付けて写真をとっていたっけ。
着飾って、学校じゃまったく目にすることがないお澄まし顔だった。普段のあいつは騒々しく走りまわるおてんばなやつだったのに。
思い出してクスリと笑ってしまった。
おっと、いけない。思い出し笑いなんて周囲から不審な目で見られてしまう。自重自重。


市民ホールの玄関まで来た。
式まで、まだ三十分以上も時間があるというのに、玄関先は、もうすでに市内各地から集まった新成人たちでごった返しており、彼ら彼女らはその中に友人知人の姿を見つけては、懐かしげに声をかけ合っている。
もちろん、俺もその中に何人かの中学時代の友人の姿を見つけてひとしきり思い出話に花を咲かせた。
ふいに、
「あっ、桃香、ひさしぶり〜」
少し離れた場所に固まっていた女子たちの方からあいつの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
真っ白なふわふわのショールを肩に掛けた華やかな振袖姿の女が小走りに駆けてくる。
最後にあったときには、陸上部の練習で日に焼けて真黒だったはずなのに、化粧のせいもあるのだろうが、今やすっかり白くなり見違えるほどだ。
とても綺麗になっていた。たぶん、あいつだと最初から知っていなければ、町ですれ違っても、全然気が付かないだろう。
近くにいた俺の友人たちも、そんなあいつの姿を眺めながら、ポカンと口を開けていたが、あわてて女子たちの方へ近寄っていった。
男子の方から女子へ近寄り、積極的に話しかけるなんて、中学のときにはほとんど見なかった光景だ。俺たちもそれなりに成長したってことなのだろうか。
そうして、時間が来たので、俺たちはホールの中へ場所を移した。


新成人たちは、それぞれに好きな席に座り、ガヤガヤと私語を交わしながら、市長や来賓たちの話を聞き流す。だれも聞いちゃいない。
成人としての心得がどうのこうの、人の生き様がどうのこうのという話を延々としているようだが、まったく興味なんてなかった。
五年ぶりにあった友人たちと近況を報告し合い、この後の計画を話し合う。
だが、さっきから、なぜか視線を感じる。
気になって、そっちを見るのだが、何人かの顔を知っているヤツの姿はあるが、特に俺に注目している人間の姿はないように見える。
気のせいかと思って再び隣の友人と話をするのだが、やっぱりだれかに見られている気がする。だれだろうか?
一時間ほどで式が終わり、今日の記念品を受け取った。それから、立ち上がろうとして、俺の横にだれかが立っていることに気が付いた。
「ひさしぶり、横山」
「えっ?」
あいつだった。
「ひさしぶり・・・・・・」
「私のこと覚えてる?」
「ああ、当然だろ、小学校からずっと同じだったんだし」
「そうね」
それから俺のことをじっと見つめてきた。
「な、なに?」
しばらくためらうような間があったが、最後にはツバを飲み込んで、早口に尋ねて来た。
「先輩、元気にしてる?」
「先輩?」
「陸上部の・・・・・・」
すこし考えて、思い出した。
「ああ、兄貴のことか。今、東京の大学だ」
「ええ、知ってるわ」
なにかを期待するように、俺の顔を見るのだが、正直、なにを期待されているのか、よくわからない。
「えっと?」
「最近、先輩に会った?」
「ん? いや、俺、正月は戻ってこなかったから」
「そ・・・・・・」
「なにか、兄貴に用事?」
そう訊くと、なにか言いたそうにしたが、すぐに静かに首を振るのだった。
「ううん、なんでもない」
「そっか・・・・・・?」
あいつは、一瞬、さびしそうな表情を浮かべ、それから笑顔を作って、手を振って、俺から離れていった。
なんだったのだろうか? よくわからない。
ともかく、首を振って、それから、隣の友人にこれからどこかへ遊びに行こうと声をかけた。



たまたまバイト先の仲間が今でもガラケーを使っていた。
高校時代、俺が使っていたのと同じタイプ。早速、充電器を借りて、あのガラケーを充電してみる。
うまくいった。電源を入れて、それから、ためしためしボタンを押して、操作してみる。
ガラケーに残された高校時代の友人たちの電話番号とメアド、卒業以来一度も連絡を取っていない。おそらく、そのほとんどは今でも使われているだろうに。
開いた写真ホルダーの中には、すっかりその存在すら忘れていた懐かしいいくつもの姿が残されていて、画面越しに俺に笑顔を向けてくる。
そして、いくつもの映像に残された日に焼けた顔で人懐っこい笑みを見せてきているのは・・・・・・
メールを開いた。
高校時代に送り合ったメールの数々。ひとつひとつが思い出だ。そして、下書きだけで、結局、送信ボタンを押せなかったものもある。
この三年間、ずっと部屋の隅でホコリをかぶっていた下書き。高校時代にかかれ、そのときから何度も送信ボタンを押そうとして、押せず、その後もずっとメールの下書きのままで相手に送信されなかった。
青臭く、直接的で、そして、熱のこもった言葉の数々が込められている。十八の俺の届けられなかった思いが詰まっている。
今、読み返してみたら、正直、背中がかゆくなるな。恥ずかしい。
けれど、それらは消せない。このガラケーのように、ずっとそこにある。いつまでも下書きのままで。
あの子は今頃何をしているのだろうか? 弟と同じ学年だから、そろそろ成人式か。
綺麗になっただろうか? 彼氏はできたのだろうか? 今、恋をしているのだろうか?
幸せなのだろうか?
俺は一つ首を振った。そして、息を吐き出しながら宙にあの子の幸せを念じた。
そうして、かすかに笑みを浮かべながら、俺はガラケーを閉じた。


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