2015年08月30日

通行規制




九月の第一週。その週内のどこかの日に、僕たちの学校では避難訓練が行われる。
その日がいつなのか、そして、開始は何時からなのか、僕たち生徒会メンバーと顧問の先生、それに校長・教頭以外だれも知らない。


『総員、配置完了したみたいだな。それでは、五分後に本年度避難訓練スタートだ』
『『『ラジャ』』』
「ラジャ」
トランシーバーから、会長の楽しげな声が聞こえてきた。もちろん、僕もワクワクしている。
C棟二階東階段前。二階にある各一般教室からの昇降口へ一番の近道だ。
だが、僕は、その手前の廊下に通行禁止区域を設け、バリケードを設置し、通行の邪魔をする。そして、その通行禁止区域内で仮面をつけて待機している。
僕たち、生徒会メンバーはこの日のために、ここ数日間、登校しても授業に出席せず、生徒会室で自習していた。だから、生徒たちのだれも僕たちがこの日この時間に避難訓練を開始するなんて知らない。後五分もすれば、びっくりするに違いない。
そして、今、学園にいる者たちは、避難を開始してすぐに気が付くことになるだろう。校舎内の様々な場所にここと同じような通行禁止区域が設けられていて、迂回せざるを得ないことを。しかも、避難開始から規定時間以内にグラウンドに集まっていなければ罰ゲームが課されるのだ。今年の罰ゲームは全校生徒の前で好きな相手に告白か、氷水を被るかの二者択一。さて、本年度は何人の生徒が罰ゲームを受けることになるのかな。すこし楽しみだ。
去年は、五人の生徒と一人の先生が時間までにグラウンドに現れることができず、生徒会手作りのひどい匂いのする青汁を飲まされていたっけ。その五人の生徒のうちの一人が僕たちのクラスにいて、その後の一日中、教室内に匂いが残り、クラス中がひどい惨状を呈していたな。
あの失神しそうな臭さや、罰ゲームを受けた生徒の情けない顔を思い出して、思わずクスリと笑ってしまう。
まあ、そいつは、今では僕の妹のカレシなんだけど。夏休みの間に兄貴の僕が知らない間に仲良くなっていたらしい。さすが自称肉食系。手際が鮮やか。いや、むしろ、男を見る目があるといった方がいいのか、我が妹には。
あと一時間ほどで、この避難訓練の時間が終われば、僕たちの世代の生徒会執行部が取り仕切るイベントは、すべてつつがなく終了することになる。後は、九月末の生徒総会で新執行部メンバーが選出され、彼らに引き継ぐだけだ。
いよいよ最後のイベントか……
去年の学園祭の準備から始まって、怒涛のように過ぎていったこの一年。毎日のように集まっていた生徒会室も、あとひと月も経たないうちにおさらばか。
なんだか、寂しいような、切ないような。でも、これを大過なく終わらせれば、僕たちは肩の荷を下ろして、いよいよ受験に専念できるわけだし、ホッともするだろう。複雑な気分だ。


『残り三十秒・・・・・・二十秒・・・・・・十秒』
会長が緊張した声でカウントダウンを始めた。
『五、四、三』
大きく息を吸って、吐き出す。いよいよだ。
『二、一』
――生徒会より、職員、生徒にお知らせする。これより、毎年恒例の避難訓練を開始する。全員、十五分以内に、グラウンドへ集合せよ。繰り返す。避難訓練を開始する。全員、十五分以内にグラウンドへ集合せよ。なお、校内各所では、謎の奇病が発生している模様。各自、避難時には、感染したりしないようくれぐれも気を付けるように。
会長の校内放送が行われた途端、各校舎の中が騒がしくなった。僕が待機しているC棟の中もそう。キーキーと椅子の足が床をこする音があふれ、ドアが開く音が響いてくる。
すぐにドタドタと生徒たちが鳴らす足音が僕のいる方へ近づいてきた。やがて、廊下の角を曲がって、最初の二年生の男子生徒が姿を現した。
「ここは通行禁止だぁ〜 お前の肉を食ってやるぞぉ〜」
ゾンビの仮面の下から、おどろおどろしい声を上げる。一瞬、驚いたような顔をした後、その男子生徒、血だらけの僕の姿を見て、ニヤリと笑いやがった。
「おっ、今年は、ゾンビか」
その生徒に続いて、次々と生徒たちが現れる。そして、最初の男子生徒と同じような反応をして、校舎の反対側にある西階段へ向かって引き返していく。中には、スマホを取り出して、僕と記念写真を取っていく女子生徒なんかもいて。うん。この迫力あるゾンビの仮面、好評なようだ。
「ここは通行禁止だぁ〜 お前を頭から食ってやるぞぉ〜」
「キャハッ。うけるぅ〜」
「って、おい、のんびり写真なんか撮ってないで急がないと、罰ゲームになるぞ」
正直、心配してしまうのだが。
「ねぇ? 今年の罰ゲームってナニ?」
「それはまだ内緒だぁ〜 お前を食ってやるぞぉ〜」
「え〜 けちぃ〜」
しぶしぶ、その女生徒は西階段へ向かって、引き返していった。


ほどなく、ほとんどの生徒たちが西階段へ引き返していき、もう僕のところへ近づいてくる生徒たちはほとんどいない。いても、背後の階段を下りてくる途中で、僕の姿を見かけ、わざわざ寄り道して記念撮影していく人間ぐらいだ。
だけど、
「あれ? ここも通行止め? どうなってんの、今年の避難訓練?」
「えっ?」
振り返ると、なぜかそこには、F棟一階の特別教室で授業を受けていたはずの女生徒が・・・・・・
あそこからなら、昇降口まで、今年は通行止め区間を設置していないから、すぐにグラウンドへ出られるはずなんだが? なんで、こんなところに?
「ここは通行止めだぁ〜 お前の骨をかみ砕いてやるぞぉ〜」
「あれ? その声、内藤君?」
「内藤ってだれだ? 俺様はゾンビ様だぁ〜  ああ、もしかしたら、さっきここを通りがかったマヌケを食っちまったから、そいつが内藤とかいうやつだったかもな」
「ふふふ。迫真の演技ね。大変ね、ご苦労様」
「ぬぐぉ〜 それマジやめて、素で恥ずかしくなるから」
「ふふふ。ね、記念に一枚いい?」
「いいけど、このままだと、罰ゲームになっちゃうよ。お前の皮を食いちぎるぞぉ〜」
「ねぇ? 今年の罰ゲームってナニ?」
本当だったら、内緒って答えるべきなんだろうけど、でも、相手は同じクラスの西田さん。それに、周りには誰もいない。
「他の奴には内緒にしててよ。実は、全校生徒の前で好きな相手に告白。それか、氷水をかぶるか」
「・・・・・・」
西田さん、妖しく瞳を光らせて、僕のことを見つめてくるし。
「だから急がないと・・・・・・」
「そうなんだ。うふふふ。ちょうどいい機会だから告白しちゃおうかな、私」
「えっ?」
「全校生徒の前だから、さすがに女の子に恥を掻かせたりしないだろうし。これって、チャンスよね」
「あ、い、いや、僕の口からはなんとも・・・・・・」
「ふふふ。楽しみね」
「あははは・・・・・・」
頭を掻くしかないわけで。
そうして、西田さんは、僕の前から離れて行った。愛嬌のあるウィンクを一つ残して。


うん、すごく綺麗で、可愛い子だ。性格もさっぱりしてて、いい子だし。
けど、ごめん。西田さんの恋心、かなわないと思う。だって、あいつにはすでに恋人がいる。我らの生徒会長には。
って、なんで、そんなことを知っているかって?
だって、あいつのカノジョは僕の身内だから。そう、つまり、あいつは妹のカレシなのだ。
くっ・・・・・・ でも、なんか釈然とせんっ! 僕の知らない間に仲良くなりやがってぇ!
「もし妹を泣かせるようなことをしたら、本気で八つ裂きにしてやるからなぁ〜」
今日出した中でも一番迫力のある声で、僕はそう吠えるのだった。


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2015年08月23日

夏の一日は短い




気が付けば、夏休みの残りがすでに一週間を切ってしまっている。
あれほど長く楽しみに感じられていたのに、今ではあっという間で、そして、どこかうんざりにも感じている。来る日も来る日も、ただ暑く退屈なだけだった。
その暑さを避け、クーラーの効いた部屋でアイスクリームなんか頬張りながら過ごしていると、時間が経つのも早くて、さっきベッドから抜け出したかと思ったら、次に気が付くころには、外は真っ暗。なんで、夏休みって、こんなに日が短いんだ?
「あんたが休みだからって、昼まで寝てるせいでしょうが」
ごもっともです、姉貴。
ともあれ、夜なんだから、すずしい夜風でも吹いていないかと期待しても、熱帯夜。窓を開けると、熱風が吹き込むばかり。寝れないよ。まったく。
で、毎晩、眠れない夜をすごすから、寝不足になって、朝起きれず、午後にならないと起きれない。まったくの悪循環だ。
はぁ〜
「そんなんで、二学期から大丈夫なの? ちゃんと朝時間通りに起きれるわけ?」
「ははは、た、たぶん・・・・・・」
「やだよ。朝の忙しい時間にあんたなんかいちいち起こしてられないよ。自分で起きなさいよ」
なんて、自分の部屋へ引き上げる途中に俺の部屋の前を通りかかった我が姉は、そんな風な薄情なことをのたまうわけで。
でも、考えてみたら、夏休み前までは、ちゃんと自分一人で起きられていたんだしなぁ。一学期のころのように、毎朝、目覚ましをかけておけば・・・・・・
あれ? 目覚まし時計の針、さっきから四時四十七分を差したまま、ピクリとも動いていない気が。すでに晩御飯を取り終えて、食後の寛ぎタイムだというのに全然針が進んでいない。秒針も固まったまま。電池切れかな?
仕方なく、近所のコンビニまで電池を買いに走ったのだった。


家を出て、公園の角を曲がり、小学校の前の交差点を渡る。
途中、犬の散歩やウォーキング中の近所の人たちとすれ違い、挨拶を交わした。祖父の代から住んでいる町なだけに、大体のご近所さんとは顔見知りだ。もちろん、これから行くコンビニの店長さんもそこで働くバイトさんたちも、大半はご近所の人。
「いらっしゃいませ。ああ、あんたか」
自動ドアが開くと、すかさず中からバイトが声をかけてきた。子供のころから知ってる静香だから、うなずきだけを返して、その足で電池を置いているコーナーへ向かう。
あった。ガラス窓のそばの棚。雑誌コーナーの向かいだ。
雑誌コーナーには、大学生風の男性が雑誌の立ち読みをしており、その後ろを通って、目的の場所へ移動した。
「単三、単三・・・・・・」
目覚まし用の単三電池はすぐに見つかったのだが、そこに並んでいるのは、二種類。アルカリとマンガン。
「えっと、確か、時計はマンガンの方がよかったのだっけ」
うろ覚えの知識を引っ張り出して、マンガン電池を手に取る。それから、背後の雑誌コーナーの向こうに視線を向けて・・・・・・
うん。夜の時間帯だ。ガラス窓越しの駐車場には暗闇が広がり、ほとんど車は止まっていない。こんな広々としたスペースで花火とかしたら楽しいだろうな。そういえば、今年、まだ花火してないや。などと、しばらくぽけっと眺めていた。まあ、さすがに、コンビニの駐車場なだけに、勝手に花火なんてできるわけないのだが。
「ははは・・・・・・」
すこし、自嘲気味に力ない笑い声を漏らして、俺はレジへ向かった。


「よお」
「変態ッ!」
気さくに挨拶したっていうのに、静香のやつ、一体なんだよ。開口一番、それかよ。
「はぁ?」
「話しかけるな。スケベ男」
「お前なぁ〜 俺、仮にも客だろ?」
レジに立っているくせに、俺から顔をそむけるようにして、前に並べた電池すら見ようともしやがらない。
ったく。
「おじさぁん。レジたのんます」
「あいよ」
「お宅のバイトの姪御さん、俺の商品、精算してくれないんす」
「ははは、それはすまなかったね」
代わりに静香の叔父にあたる店長さんが、レジ打ちしてくれた。けど、いざ代金を払おうという段になったら、
「あれ、今日はアイス我慢の日かい?」
そう言われると途端に食べたくなるわけで。レジをちょっと待ってもらって、入口脇の冷凍庫を覗き、いつものアイスのバーを選ぶ。
ふと視線をさっきの電池のところへ向けると、立ち読みしていた大学生がめくったページが眼に飛び込んでくる。妖しくなまめかしい格好から放たれる扇情的なまなざしとまともに目が合う。
ははは、夜のコンビニの雑誌コーナーだな・・・・・・
って、さっき、俺、窓ガラス越しに駐車場の方を眺めていたが、当然、その手前にあったのは、雑誌コーナーになる。しかも、今、大学生が立っているあたり。
――変態ッ。スケベ男。
あっ・・・・・・


「言っとくが、さっきは別にエロ本眺めてたわけじゃないからな」
「ふんっ。話しかけるな」
聞く耳ないみたいだ。あははは・・・・・・
「仕方ないよ。男の子だしね」
「店長まで、ヘンなこと言わないで下さいよ。本当に、そうじゃなかったんだから」
「うほほほ。うんうん。そうだろう、そうだろう」
ったく。電池とアイスの代金を払って、商品を受け取って、ため息一つ。
「だから、誤解だって」「フンッ。どうだか」
「信じてくれよ。本当に駐車場の方を眺めてただけなんだから」
「嘘つき」
唇を尖らせて、頬を膨らませて。そんな様子を見ていたら、口が勝手に動いてしまう。
「本当だって。ガラス越しにそこの駐車場で静香と花火したら楽しいだろうなって眺めてただけなんだって」
静香のヤツ、ようやく俺の顔をじっと見上げてきた。けど、その瞳は揺れ動いていて、しだいに頬に赤みが増していく。
って、俺、今、なに言ってんだよ。
「あ、いや、静香と二人きりってだけでなく、智弘や勇樹たちも呼んで・・・・・・」


コンビニを出た俺は、熱帯夜の暑い空気の中を帰路につく。
息苦しく、熱のこもった風が顔をなでていく。
そうして、火照った体にも、いつものアイスが冷たくて心地よい。
今日も眠れそうにないや。寝不足の日々は、明日もつづくのだろうな。
うん、夏の一日は本当に短い。


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2015年08月16日

おはよう




小学生のころには、一緒に登校していたから毎朝サナと顔を合わすと、お互い自然に『おはよう』って朝の挨拶を交わしていたものだ。
でも、中学にあがったころから、朝、家の前でばったり出くわすことがあっても『おはよう』なんて言葉を交わしたりしなくなった。
たまに家の前で出くわすあいつは、小学校のころのような真黒に日に焼けた男っぽい格好ではなく、制服のブレザーとスカートを着て、日に焼けていない真っ白な肌で内心を伺いしれないすまし顔で立っていた。その胸元では赤いリボンが揺れていた。
正直、その姿を見かけるたびに、どうしても気おくれしてしまう。目をそらしてしまう。中身は、小学校のころから変わっていないはずなんだけど。
明るくコロコロ笑い、友人たちと冗談を交わし、じゃれ合う。そんな姿を今でも学校で見かける。とくになにも変わっていなかった。なのに、俺はためらってしまっていた。


サナは隣の家に住んでいて、幼稚園のころからよく一緒に遊んでいた。つまり、俺にとっての幼馴染みだ。
小さなころからよくお互いの家にあがりこんで、お菓子をもらったりしてた。あのころ、俺もサナもよくサナの姉ちゃんのおままごとに無理やり付き合わせられたっけ。さすがに今ではそんなことはないけど。あの姉ちゃんにはだれもかなわない。今でもちょっと怖い人だ。
それでも、通りでサナの両親や姉ちゃんと出会えば、挨拶ぐらいは普通にしてる。サナも、俺の親父たちと顔を合わせることがあったら、小学校のころと変わらない口調で『こんにちは』なんて声をかけている。
だけど、あいつと顔を合わしたときには、途端に挨拶の言葉がでてこない。サナの制服姿が頭の中にちらつく。
『おはよう』なんて、たった四文字の短い言葉でしかないはずなのに。
ヘンだ。妙に意識してる。


今朝、いつものように日課のジョギングに出た。
Tシャツにショートパンツという動きやすい格好をして、玄関でランニングシューズを履き、ドアを開ける。
ちょうど、閉まってる門の向こうでポストになにかを差し込んでいる姿がある。
キャミソールにデニムのホットパンツ姿。耳が隠れる長めの髪も、後頭部で花の形の髪留めでまとめている。すごく涼しげな印象だ。
目が合った。俺の口から自然と、
「お、おすっ」
「おはよう」
あれ? 俺、今、朝の挨拶交わした? サナなのに。
サナは、ポストに差し込もうとしていたバインダーを引き抜き、それを俺に渡す。
「はい、回覧板」
「ああ、またサナんちの姉ちゃんの言いつけか」
「うん。友明の家に持って行けって」
「そっか、ご苦労様」
「ううん。どうしたしまして」
俺は首をひねりながら、受け取った回覧板を玄関に放りこむのだった。


「これからジョギング?」
「ああ、河原の方までな」
「へぇ〜 あんなところまで行ってるんだ。がんばってるんだね」
「まあな」
俺は門を開け、外へ出ると、軽く柔軟体操を始める。サナは、その様子をそばでじっと眺めていた。
「そんなに珍しいか? 俺が柔軟してるの」
「えっ?」
「なんか熱心に見てるからさ」
「あ、ううん。ちゃんと怪我しないように体ケアしてるんだなって思って」
「当然だろ」
「感心感心」
なんだろう、この感覚。まるで小学生のときのように、全然自然に話せてる。意識してない。なぜだ?


「じゃ、行ってくるわ」
「行ってらっしゃい」
「おう」
柔軟体操を終え、十分に体が温まったところで、足を大きく踏み出す。
サナは、そんな俺にその場で立ち止まったまま、手を振っていた。満面の笑み。振ってない方の腕を後ろ手にして、体を少しだけ傾けて。
うう・・・・・・ なんだろう、この感じ。すごく・・・・・・すごく、いい。
これって・・・・・・
もう一度、しっかりとサナの姿に目をやる。手足がすらりと伸びて、朝日を受けて、産毛が柔らかく輝いて、どこか甘い匂いが漂っていて。唇はとても赤くて、瞳がくりくりうごいていて。俺の眼が吸い込まれるようにして、どうしても離せなくなって。
改めて思うけど、サナって、すごく可愛くないか?
そう思ったら、心臓がドクンとした。
つまり、俺が今まで朝、サナに挨拶できなかったのって・・・・・・



だよな。この衣装もそうだけど、あの学校の制服も、サナにとても似合いすぎてるもんな。こんなに可愛いんだから、サナの姉ちゃんが自分の服を着せたくなるのも分かるわ。うん。中身は男だけど。


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posted by くまのすけ at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編・ショートショート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする